株式投資【損切り】の目安と考え方【どうしても損切りできない時の対処法は?】

損切りの目安と考え方

『負けてる状態で損切りなんかしたくない!』

『でも、このままだと損失がどんどん拡大してしまうかも!?』

予想に反して買値より株価が下がってしまった場合、誰もが抱く気持ち・・・。

損切りするのか?

それとも

『もう少し我慢すれば、また上がるんじゃないか!?』

とほんの少し期待する気持ち・・・。

このまま放置するのか?

でも不安で仕方ない気持ちになる・・・。

そんな状態に陥ったら、冷静な判断などできる訳がありません。

『損切り』については、事前に『損切りルール』を決めておいた方が処理しやすいでしょう。

また人間は、ある特性をもっている影響で『損切りしたくない』生き物のです!

その特性とは何?

今回は、損切りの目安と考え方について解説しています。これを機会にあなたの損切りルールを決めて、塩漬け株を防止しましょう。

株式投資『損切り』とは何?

損切り_メリット、デメリット

損切りとは?

☞ 損失が出ている状態で保有している株式を売却して損失を確定させること。ロスカット、ストップロスとも呼ぶ。

株式投資で損切りは、誰でもしたくないものです。

でもそのまま放置することは、本当に正しいことなのでしょうか?

損切りのメリットは?

損切りすることで、損失を最小限に留め、損失の拡大を防止することができます。酷くならないうちに撤退することで、大きな傷にならずに済みます。また、株を売却することで塩漬け株を防止し資金効率がUPします。

損切りのデメリットは?

損切りした株が売却後に値上がりした場合、得られたはずの利益を逃がすことになります。

しかしこれは結果論で、大切なことは、投資トータルとしてのパフォーマンスを向上させることです。予想に反して値下がりした株価の回復に運命を任せるよりも素早く損切りし、仕切り直した方が全体的にはよい結果となる可能性が高いでしょう。

なぜ『損切り』したくない?損失回避バイアスとは?

損切りしたくない_損失回避バイアス

いざ損切りをしようと思っても、損切りしたくないという気持ちが湧いてきます。

誰でもそんなものなのです。

なぜ損切りすることがそんなに嫌なのでしょうか?

実は、人間には『損失回避バイアス』が働くことがわかっており、その影響で損切りが苦手なのです。

損失回避バイアスとは?

☞ 利益を得る喜びよりも、損失を被る悲しみの方が大きいこと。

株価が上がると見込んで買った銘柄です。適当に売買している人は別ですが、それなりの根拠を持って買っている訳です。

『かなり割安だから下値余地は、ほとんどないだろう。』

『業績が好調で株価が下がる理由が見つからない。』

など、自信を持って買い向かった銘柄なのです。

それが予想に反して下落してしまった・・・。

この悲しみを受けたくない・・・。

損失を認めたくない・・・。

『損失回避バイアス』が働きます。

『もう少し我慢すれば上がるに違いない。』

と思うことになります。

しかし、我慢すればするほど、株価は下がっていきます。

『こんなことなら、もっと早く売ればよかった・・・』

そう思っても後の祭りです。

人間は、1万円儲ける喜びよりも1万円損失を被る悲しみの方が大きく感じるのです。損失回避バイアスを持っているので、損失を確定させるのは、利益を確定させるより苦手なのです。

『損切り』できなくて『大損』 これが株式投資の退場パターン!

損切りできなくて大損_株式投資の退場パターン

株式投資では、典型的な失敗パターンがあります。

それが『損切り』できなくて『大損』してしまうパターンです。

もう少し我慢すれば上がるに違いない・・・。

もう少し我慢しよう・・・。

始めはそれくらい気持ちです。

これが株式投資では典型的な退場パターンです。

株価は、みるみる内に買値から下がっていきます。

買値から20%下がり、30%下がり

買値から30%下がっても、まだ売りません。

やがて買値の半分になってしまった・・・・。

それでも、まだ売りません。

我慢に我慢を重ねて、気が付けば、買値から70%も下がってしまった・・・。

しかも株価に回復の気配はありません。

これが株式投資の退場パターンです!

その後、身動きが取れなくなり、売却する。

結果、『大損』してしまうことになります。

株式投資では、市場に居続けることが何よりも大切です。全ての取引を成功できる人などいません。成功の秘訣は、大勝ちすることではなく、大負けを防ぐことなのです。適切な損切りができる人は、相場から退場することなく幾度となく巡ってくるチャンスに出会うことができます。

損切りの目安と考え方

ロスカット_目安と考え方

損切りができなくて、大損するパターンがあることは、理解して頂けたと思います。それでは、損切りのラインとして、どのくらい値下がりしたら損切りするのが、ちょうどいいのでしょうか?

損切りの考え方

どのくらい値下がりしたら損切りするのか?

損切りラインの考え方として、損切りした後に新たな銘柄を購入し、損失分を取り戻すのに必要な利益について考える方法があります。

損切りの考え方

【図. 損切りの考え方】

例えば、手元に100万円あるとします。

この100万円で株を購入したところ、損切りが遅れてしまい50%値下がりしたところ50万円で売却した場合、その後、新たな銘柄を50万円で購入すると損失分を取り戻すには、50万円を2倍(100%増)にする必要があります。

70%の損失で売却すると、損失を取り戻すには、3.33倍しなければなりません。こうなってくると、元金の100万円に回復させることは非常に困難になってきます。

20%の損失ではどうでしょうか?

20%の損切りの場合、元金を取り戻すためには、25%の利益が必要です。

元金を取り戻すためには損失より5%も上乗せした利益を出さなければ、元金まで回復しないのです。

これが損切りに対する考え方です。

損切りの目安

損切りラインの目安は、10%以下と考えましょう。

一般的には5%~10%です。

20%の損切りでは遅すぎます。

株式投資は、年間パフォーマンス20%も出ればかなり優秀です。損切りの目安を20%として、20%も元金から減らしてしまう投資家は、その後25%の利益を出して元金に戻すことすら困難なのです。

年間20%のパフォーマンスを出し続けるためには、元金を守るという考えが必要です。いかに元金を減らさずに、利益を伸ばすことができるか?チャンスをものにできるか?という考えが必要になります。

そのためにも素早い損切りが大切になります。

損切りを自動的に行う『逆指値』

逆指値_自動的に行う損切り方法

損切りが、いかに大切か理解して頂けたでしょうか?

一度、失った元金は取り戻すのが大変なのです。

しかし、人間は損切りするのが苦手な生き物です。

どうしても損切りに抵抗感があるのは、止む負えません。

そこで逆指値で売り注文を入れておく、という方法があります。

例えば、株価1000円で買付けした場合、5%の値下がりを損切りラインとし、株価950円で逆指値で売り注文を入れておくのです。そうすると予想に反して、株価が下落した場合、株価が950円になった時点で売り注文が発動します。

買付けができた時点で売り注文を逆指値で出しておくと、ストレスが少なくロスカットできるというメリットがあります。

損切りは【10%以下】を徹底しよう!

今回は、損切りについて、解説してきました。

損切りは、10%以下を徹底することが大切です!

株式投資では、『元金を守る』という考えが非常に重要です。

一旦失った、元金は取り戻すことが、とても大変です。そういう意味でも損切りは重要になってきます。

しかし人間は、損失回避バイアスが働くため損切りが苦手です。どうしても損切りできない人は、自動的に損切りする逆指値で売り注文を出しておくという方法もあります。

株式投資で資産を増やし続けるためには、損切りを徹底することが重要になってきます。是非、あなたの損切りルールを確立して頂き、元金を守りながら資産を増やす運用をしてもらえればと思います。