株式投資で利益確定のタイミングが難しい・・・
そう感じる人は多いと思います。
『まだ上がるのではないだろうか?』
そんな気持ちで売るタイミングを迷っている人も多いのではないでしょうか?
株式投資では『利益確定』するまで勝負は終わっていません。
含み益の状態で株式を売却し、しっかりと利益確定してこそ、勝負に勝ったことになるのです。
今回は、利益確定タイミングの考え方を解説していきます。
いったい、何%で利食いするのがベストなのでしょうか?
目次
株式投資の利益確定タイミングはとても難しい
株式投資では、買いタイミングより売りタイミングのほうが難しいとよく言われます。
確かに、株価が上昇した後に、売って利益を確定させるとまだまだ株価が上昇するケースはよくあります。逆に、『まだ上がるのではないだろうか?』と、売らずに保有を続けると上昇していた株価は反転し、買値まで下がってしまうということも、よくあるケースです。酷い場合だと、買い値より下がって損切りもできずに塩漬け株になってしまうことも、しばしばあります。
こうなると
『なぜ利益確定しなかったのか?』
悔やんでも悔やみきれません。
いったい、どこで売るのがベストなのか?
何%で利益確定させるのがベストなのか?
天井で売ることがベストだとしても、そんなことは現実的には不可能です。
大切なことは、投資全体としてのパフォーマンスを向上させるためのルールにあります。
【利益確定タイミングの考え方】5つのポイント!
利益確定タイミングは、とても難しいです。まずは、利益確定の考え方のポイントを順に解説していきます。
【利益確定タイミングの考え方】5つのポイント
- 『損小利大』となるようにルールを設定する
- ルールは買付け前に設定する
- チャート分析から売却する株価を決める
- 保有株数が多い場合、分散して利益確定する
- 予想に反し下落した場合はロスカットする
それでは、順に解説していきます。
1 『損小利大』となるようにルールを設定する
株式投資の利益確定タイミングは、損切りタイミングと併せて考えることです。
株式投資の世界では『損小利大』という格言があります。
『損小利大』とは?
☞ 損は小さく、利益は大きくという意味。
『損小利大』にするためには、損切りラインよりも利益確定ラインを伸ばすようにルール決めをする必要があります。
例えば、損切りラインが-5%の場合、利益確定ラインを常に+5%以上に設定します。
損を小さくする方法は、損切りルールを決めることで可能です。一方で、利益を大きくすることは可能でしょうか?利益をどこまでも大きくすることは、簡単ではありません。損切りルールに引っかからない限りは売らずにどこまでも放置するという方法もあるかもしれません。
でも良く考えて下さい。
どこかで売るという行動に移らなければ利益は確定されません。
どこまでも売らないのではなく、いずれ、どこかで売るのであれば、はじめから利益確定タイミングのルールがあったほうが投資戦略として有効で、パフォーマンスの向上にも繋がるでしょう。
損小利大の考えから、損切りよりも利益確定の方が大きくなるようにルールを設定しましょう。
損切りルールの2~3倍を目安に設定しましょう。
☞ 損切りの目安:5%~10%
☞ 利益確定の目安:10%~30%
(例)
損切りライン:-7%
利益確定ライン:+20%
銘柄毎にルールを設定するのか?それとも銘柄に関わらず、ルールを統一するのかについても、事前に考えておきましょう。
2 ルールは買付け前に設定する
利益確定と損切りルールは、必ず買付け前に設定しましょう。
買付け前の冷静な時に、損切りと利益確定ラインを決めてから投資するようにします。買付け後は、株価の上げ下げに一喜一憂することなく見守る心の余裕が大切です。思いもよらず株価が急騰した場合なども、利益確定の株価では売り抜くようにします。『もっと上がるのではないか?』と思うこともありますが冷静な時に決めたルールが大切です。もし売らずに保有を続けると、もっと上昇する場合もありますが、反転し利益を取り損なう場合もあります。
大切なことは、冷静な時に決めたルールは何があっても変えないことです。
自分の投資スタンスや、ルールが崩れるとパフォーマンスは安定しません。1回の取引よりも、投資全体としてのパフォーマンスが向上することを意識しましょう。
3 チャート分析から売却する株価を決める
チャート分析から、売却する株価を決める方法もあります。
例えば、上抜けが難しいと思われる抵抗線があれば、その株価で売却することを考えます。この戦略は銘柄毎に、ルールを設定する場合に有効に利用できます。
4 保有株数が多い場合、分散して利益確定する
保有している株数が多い場合は、利益確定は、2度、3度に分けて行う方法があります。数回に分けてどのように売り抜けるのか利益確定タイミングのルールを買付け前に決めておきましょう。
(例)
ある銘柄を10000株保有、+20%を目安に利益確定するルールを作成する。
以下のタイミングで利益確定する。
株価が+20%を超えて上昇するパターン
- +20%で5000株売る
- +25%で2500株売る
- +30%で2500株売る
+20%から反落するパターン
- +20%で5000株売る
- +19%で2500株売る
- +18%で2500株売る
保有株数が多い場合は、一度に全て売却せずに数回に分散して利益確定することで、上値を追いながら売り抜くことができます。しかし反落するパターンもあるので注意は必要です。
一度に全て売り抜くか、数回に分けて上値を追いながら売り抜くか、どちらがいいと決めることはできません。自分にあった投資ルールを持つことが何より重要になります。
5 予想に反し下落した場合はロスカットする
投資した銘柄が予想どおり全て上昇する訳ではありません。予想に反して下落した場合は、損切りルールどおりにロスカットしましょう。
買付けした株が下落した場合、損切りラインは、利益確定ラインよりも近いので、買付け後すぐにロスカットすることもあるかもしれません。損切りしたくない気持ちになる場合もありますが、ルール通りに『損小利大』となるようにロスカットしましょう。
【利益確定タイミング】何%の利食いがベスト?
結局、利食いは何%でするのがベストなのか?
+10%なのか?
+30%なのか?
それとも、+50%なのか?
実は、正解はありません。
大切なことは『損小利大』のマイルール作りです。
『損切り』と『利益確定』の目安
- 損切りの目安:5%~10%
- 利益確定の目安:10%~30%
利益確定タイミングは、何%の利食いがベストというのではなく、『損小利大』となるようにマイルールを作ることが大切です。
株式投資では、大きな傷を負うことなく元本を守りながら利益を伸ばしていくことがパフォーマンスを上げるコツになります。